美容業界は今、大きな転換期を迎えています。
コロナ禍を経てオンライン予約が定着し、SNSでの発信が主流となった今、美容室の集客は「広告にお金をかける時代」から「体験と関係性で選ばれる時代」へと変わりました。
とはいえ、全国には25万軒を超える美容室があり、競争はかつてないほど激化しています。
「新規が来てもリピートにつながらない」「SNS投稿しても予約が入らない」そんな悩みを抱えるオーナーも多いのではないでしょうか。
この記事では、2025年の美容業界トレンドを踏まえ、**オーナーが実践すべき“次世代の集客戦略”**を具体的に解説します。
◆ 1. 美容室集客の現状と課題
まず、最新のデータから美容室の現状を整理しましょう。
- 全国の美容室数:約26万件(2025年時点)
- 年間開業数:約1万件
- 年間廃業数:約8,000件
- 平均顧客リピート率:約35〜40%
つまり、新規を集め続けなければ成り立たないサロンが大半という現実があります。
ですが、リピート率をわずか10%上げるだけで、年間売上は約1.3倍に跳ね上がるというデータもあります。
集客=「新規×リピート×口コミ」
この3つの軸をどうバランスよく伸ばすかが、これからの美容室経営のカギとなります。
◆ 2. 集客の基本|「誰に」「何を」「どう伝えるか」
集客がうまくいかないサロンの多くは、SNSや広告の“手段”にばかり目が向き、**「誰に」「何を伝えたいのか」**があいまいです。
まずはターゲットを明確にする
例:
- 20代女性向けのトレンド特化サロン
- 30〜40代女性向けの髪質改善・白髪ケア専門
- メンズ特化サロン(フェード・パーマ)
- ファミリー層向けアットホームサロン
ターゲットを明確にするほど、言葉・デザイン・写真の方向性がブレなくなり、広告効果が数倍に跳ね上がります。
そして次に重要なのが「USP(独自の強み)」です。
USPの例
- 髪質改善×パーソナル診断で“理想の髪質”を叶える
- 全メニューにヘッドスパ付きで極上リラックス体験
- 子育て中でも安心。キッズスペース付き美容室
→ **「このサロンにしかない理由」**を明確にすることで、価格競争から脱却できます。
◆ 3. 新規集客のためのデジタル戦略
① Googleマップ(MEO対策)は必須
2025年現在、検索の6割以上がGoogleマップ経由と言われています。
「地域名+美容室」「髪質改善+駅名」で上位表示されることで、自然検索からの流入が増えます。
対策ポイント
- 写真を毎週更新(施術例・外観・スタッフ写真)
- 口コミ返信を丁寧に行う(返信率が上位表示に影響)
- 投稿機能でキャンペーンやブログを配信
- サロンの営業時間・定休日・メニューを常に最新に
MEOはコストをかけずにできる“最も費用対効果の高い集客施策”です。
② Instagram・TikTokでのブランディング
SNSは“集客ツール”ではなく“信頼構築ツール”です。
「映える投稿」ではなく、「お客様に刺さる投稿」を意識するのが2025年のポイントです。
投稿で意識すべき3本柱
- ビフォーアフター投稿 → 技術力を見せる
- お客様の悩み解決系リール → 信頼を得る
- スタッフ紹介・日常投稿 → 親近感を育てる
さらに、AI分析ツールを使えば「どの投稿が予約につながったか」も可視化可能。
SNSと予約データを連携し、効果測定→改善のサイクルを回すのが現代型のSNS運用です。
③ LINE公式アカウントの自動化
LINE公式アカウントを「ただの連絡ツール」にしていませんか?
今はAIチャットと連携して、自動リピート集客システムを作ることが可能です。
活用例:
- 施術3日後に「髪の調子はいかがですか?」自動メッセージ
- 来店30日後に「そろそろ根元が気になる時期です」リマインド送信
- クーポン配信を誕生日・来店周期に合わせて自動発行
これにより、美容師が営業しなくても“自然に予約が戻ってくる”仕組みを構築できます。
◆ 4. 既存客のリピート率を上げる仕組み
新規を集めるよりも、既存顧客を再来させる方が5倍効率的です。
ここでは、リピート率を劇的に上げる3つの施策を紹介します。
① 「次回予約」文化を根づかせる
リピート率が高いサロンほど、次回予約率が80%以上あります。
ポイントは、“技術後の余韻”が残っているうちに提案すること。
例:
「今の状態なら、6週間後がベストです」
「次回も同じ仕上がりを保つなら○月○日頃がオススメです」
シンプルですが、この一言が大きな差を生みます。
② 来店周期に合わせたフォローメッセージ
AIやCRMを使って「次回来店予測日」を管理し、最適なタイミングでLINE配信。
たとえば「前回のカラーから6週間経ちました」と送るだけで、自然にリピートを促せます。
さらに、
- 髪質別アドバイス
- 季節限定メニュー紹介
- 誕生日特典の案内
などを組み合わせると、来店率が飛躍的に向上します。
③ スタッフ指名の徹底
顧客が「誰に切ってもらうか」を明確に選べる環境を作ると、再来率は大きく上がります。
ホットペッパーやLINEの予約フォームでスタイリストごとの強みを掲載するのが効果的です。
また、担当者が変わらない“安心感”は30〜40代女性のリピート理由第1位です。
◆ 5. 口コミ・紹介で広がる「自然集客」
広告に頼らない“理想の集客”は、口コミと紹介です。
① 口コミを増やす仕組みを作る
施術後に「満足していただけたら口コミ投稿をお願いします」と伝えるだけで投稿率は倍増します。
さらに、QRコードを貼ったカードを渡すとその場で投稿されやすくなります。
② 紹介キャンペーンを継続的に運用
短期的な「紹介キャンペーン」ではなく、常設制度として仕組み化しましょう。
例:
- 紹介した人・された人どちらも10%OFF
- 3人紹介でトリートメント無料
- LINE登録者限定の紹介特典
口コミ×紹介=最強の信頼型集客です。
◆ 6. AIとデータ活用で“集客の自動化”を実現
2025年以降、AIを活用した集客が急速に広がっています。
AIは「どのお客様が次に来るか」「どんなメニューが人気か」を分析し、自動で提案・配信してくれます。
活用イメージ:
- 売上予測AIで閑散期を予測 → 先手でキャンペーン告知
- 来店頻度AIで再来見込み客をリスト化
- SNS投稿をAIが分析 → 予約につながる投稿を自動抽出
これにより、オーナーが数字を追う時間を減らし、“現場の生産性”に集中できます。
→ 「AI集客」は、人の感性+データの精度を組み合わせた次世代マーケティングです。
◆ 7. 店舗デザインと体験価値が集客を左右する
集客はオンラインだけではありません。
来店後の“体験”こそが、リピートと口コミの原点です。
体験価値を高める3つの要素
- 第一印象(香り・照明・BGM)
- カウンセリングの深さ(共感力と提案力)
- アフターケアの丁寧さ(自宅ケア提案・LINEフォロー)
“お客様の記憶に残る体験”を提供することで、SNS投稿や口コミが自然に生まれます。
リピーターの70%以上が「技術」よりも「接客体験」でサロンを選んでいるというデータもあります。
◆ 8. 広告に頼らないサステナブル集客の考え方
かつてはホットペッパービューティーなど広告に依存するサロンが主流でした。
しかし、掲載費が高騰し続ける中で、**「自前集客」**にシフトするサロンが増えています。
持続的な集客の土台は3つ:
- 自社サイト(ブログ・予約・スタッフ紹介)
- SNS(Instagram/TikTok)
- LINE公式アカウント
この3つを連携させて、自社ファンベースを作ることが重要です。
「広告→自社→リピート」の流れを作れば、安定した売上が持続します。
◆ 9. まとめ|集客のゴールは“ファン化”にある
美容室集客の最終ゴールは、**「指名で通ってくれるファンを増やすこと」**です。
そのためには、
- 新規を集める“導線設計”
- リピートを促す“仕組み”
- 口コミを広げる“信頼構築”
の3段階を意識して経営することが大切です。
2025年の集客キーワードは【データ×共感×体験】。
AIやSNSを上手く活用しながらも、「人の温かさ」を中心に据えた経営がこれからの時代に選ばれます。
美容室経営は“人をキレイにする仕事”であると同時に、“人の心を動かすビジネス”。
その原点を忘れずに、あなたのサロンにしかできない集客の形を築いていきましょう。


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