🔍 はじめに
美容室の数が「多すぎる」と感じたことはありませんか?
実際、日本全国の美容室件数はここ10年で右肩上がりに増え続けています。
一方で、閉店も多く、「生き残り戦争」とも言われる時代になっています。
本記事では、美容室件数の最新データをもとに、今後の動向と生き残るための戦略を解説します。
📊 美容室の件数推移(全国データ)
以下は厚生労働省の「衛生行政報告例」をもとにした、美容所(美容室)の推移です。
| 年度 | 美容室件数 | 前年比増減 |
|---|---|---|
| 2010年 | 約220,000件 | — |
| 2015年 | 約235,000件 | +15,000件 |
| 2020年 | 約257,000件 | +22,000件 |
| 2023年 | 約263,000件 | +6,000件 |
| 2024年推定 | 約266,000件 | +3,000件 |
🟩 グラフイメージ(推移)
2010年 ────▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇ 220,000
2015年 ────▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇ 235,000
2020年 ────▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇ 257,000
2023年 ────▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇▇ 263,000
💡ポイント:
- この10年で約4万件増加
- 理美容合わせると全国で40万件超
- コンビニの約5倍以上の店舗数
🧾 エリア別の美容室分布(2024年推定)
| 都道府県 | 美容室件数 | 人口10万人あたり |
|---|---|---|
| 東京都 | 約25,000件 | 約180件 |
| 大阪府 | 約14,000件 | 約160件 |
| 愛知県 | 約12,000件 | 約155件 |
| 福岡県 | 約9,000件 | 約170件 |
| 北海道 | 約8,000件 | 約150件 |
📌 特徴
- 人口密度の高い都市部だけでなく、地方都市にも美容室が急増
- 特に福岡や沖縄など、美容意識の高いエリアでは件数密度が非常に高い
🧠 なぜ美容室は増え続けるのか?
1. 独立志向の高さ
美容師は国家資格を持つ技術職。経験を積んだ後に「自分の店を持ちたい」という独立志向が非常に強い。
2. 開業コストの低さ
飲食店などと比べて初期投資が少なく、**小規模サロン(2〜3席)**でもスタートできる。
3. SNS集客の普及
Instagram・TikTok・ホットペッパーなど、個人ブランディングが容易になったことが追い風。
📉 それでも廃業が増えている理由
| 原因 | 内容 |
|---|---|
| 競合過多 | 同エリア内に多数の美容室が乱立し、価格競争が発生 |
| 人手不足 | アシスタント離職や求人難で経営が安定しにくい |
| 単価下落 | クーポン依存・値下げ競争により利益率が低下 |
| 経営知識不足 | 技術はあるが経営ノウハウが乏しいオーナーが多い |
💬 厚生労働省調べでは、開業後5年以内の廃業率は約40%に達する
つまり、「開くのは簡単、続けるのが難しい」業界構造。
🧭 生き残るための5つの戦略
① 独自ブランドの確立
価格競争から抜け出すには、「自分にしかできない提案」を持つこと。
例:
- 髪質改善専門サロン
- メンズ特化サロン
- オーガニック・ヴィーガン対応
② 口コミとリピート率の最大化
新規集客よりも「リピート率向上」の方が利益に直結します。
リピート率を70%→80%に上げるだけで、年間売上が1.3倍になることも。
③ SNSブランディングの最適化
SNSは「無料広告媒体」。
Instagramでは、統一感のある投稿とリール活用が鍵。
TikTokでは、ビフォーアフター動画+人柄の発信が効果的。
④ 生産性の向上
予約システム・POS・顧客管理アプリを導入し、スタッフ1人あたりの売上を最大化。
例:
- 予約管理: MINDBODY, HotPepper Beauty
- 顧客カルテ: LiME, BeautyMerit
⑤ 地域密着型マーケティング
地域キーワード+口コミで検索上位を狙うSEO戦略。
例:「〇〇市 髪質改善」「〇〇駅 メンズカット」など。
📈 今後の見通し(2025〜2030年)
| 年 | 美容室件数(予測) | トレンド |
|---|---|---|
| 2025年 | 約266,000件 | 横ばい |
| 2027年 | 約268,000件 | 微増傾向 |
| 2030年 | 約270,000件 | 頭打ち・淘汰期突入 |
💡 2030年以降は「数より質」の時代へ
- 店舗数は横ばい
- 技術力・ブランディング・教育力を持つサロンが生き残る
🪞 まとめ
| 要点 | 内容 |
|---|---|
| ✅ 現状 | 美容室は約26万件で過去最多水準 |
| ⚠️ 問題点 | 廃業率・人手不足・価格競争が深刻 |
| 💡 生存戦略 | 差別化・SNS活用・地域SEOがカギ |
| 🔮 未来 | 「多店舗化」より「専門性」重視の時代に |
✂️ 美容師・オーナーへのメッセージ
美容室業界は飽和しているようで、「伸びるサロン」も確実に存在します。
その違いを生むのは、「どんな想いでお客様に向き合うか」。
データに基づいた経営と、自分らしい価値の発信で、
“選ばれる美容室”を目指しましょう。


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